ビタミンK
ビタミンKは、止血や骨の発育・修復に関係するビタミンですが、骨粗鬆症や動脈硬化に対する効果が注目されています。ビタミンKの特徴をまとめるとおよそ次の4つになります。
- 血液凝固を正常に維持する機能
- 骨形成を助け、強化する。また、骨粗鬆症を予防する
- 血管などの細胞の石灰化を防ぎ、動脈硬化などを予防する
- 脳脂質の抗酸化機能
ビタミンKは、骨粗鬆症の予防・改善に有効
高齢者でのビタミンKの血中濃度は低くく、また、加齢に伴い骨髄に脂肪が付くことで脂肪に脂溶性のビタミンKが奪われ、骨の増殖が滞るとも言われています。大量のビタミンK投与により骨量が増えることや、 ビタミンKが破骨細胞の形成を抑制あるいはアポトーシスを誘導することが確認されています。
このように骨粗鬆症との関わりが明らかとなる中、納豆に含まれるビタミンK(メナキノン-7 or MK-7)に、骨の形成を助ける働きがあることが確認され、改めて納豆菌がつくる天然型ビタミンKのもつ栄養価の高さが注目されています。
ビタミンKは、カルシウム石灰化の促進と抑制、いずれにも関わる
骨の25%は、オステオカルシン(osterocalcin)といわれるカルシウム結合タンパク質です。骨の骨芽細胞がオステオカルシンを合成するとき、ビタミンKやDが補酵素として働いています。さらに、ビタミンKにより活性されたオステオカルシンは、カルシウムが骨へ沈着(石灰化)するのを促し、骨からカルシウムが流出するのを抑えています。
一方で、この石灰化を防ぐ働きもしています。
骨や血管にはMGP(Matrix Gla protein):マトリックスGlaタンパクといわれるカルシウムの沈着(石灰化)を抑える物質が存在しており、ビタミンKによってその働きがコントロールされています。
特に骨以外の組織ではカルシウムが沈着しないように働いているのですが、ビタミンKの不足は沈着を招く結果になり、高血圧、動脈硬化、老人性痴呆など、様々な疾患の原因となります。
ビタミンKの所要量は血液凝固を基準に設定され、日常の食事で充足しており、欠乏症はないと言われています。しかし、最近の研究で骨形成に関しては十分でないことが明らかになっています。カルシウムパラドックスとならないように、十分なカルシウムと共に、ビタミンKの補給が必要です。
カルシウムパラドックス
ヒトの体内にあるカルシウムの1%は、血液・筋肉・神経などで生体機能の維持および調節に不可欠な役割をしています。ここではカルシュウム濃度を維持することが必要で、摂取不足などで足りない場合、副甲状腺ホルモンなどが働いて骨を溶かし、カルシュウムを供給することになります。
このようなカルシウムの摂取不足状態は、過剰に副甲状腺を刺激することになり、かえって血管や脳、軟骨などでのカルシュウム濃度が上がってしまうことがあります。これをカルシウムパラドックスといい、長く続くとカルシュウムが組織に沈着(石灰化)し、高血圧、動脈硬化、老人性痴呆などの様々な疾患の原因になります。例えば、インスリンを分泌する膵臓の細胞の中でカルシウムが蓄積(石灰化)すると、II型糖尿病になるのです。
カルシウムパラドックスを解決する唯一の食品が「納豆」のようです。良質のタンパク質と豊富なビタミンK(MK-7)が、骨粗鬆症、動脈硬化の両方を予防します。
ビタミンKの血液を固める凝固作用
ビタミンKは、肝臓で血液凝固因子プロトロンビンの合成に補酵素として働いているため、ビタミンKがないと血液が正常に凝固できなくなります。しかし、血栓は作られたくありません。そこで、これとは逆に働いているのが、血栓の主成分であるフィブリンを切断するタンパク質分解酵素「プラスミン」。
通常、プラスミノーゲンの形で血漿に含まれています。運動するとプラスミンが活性化し、血栓などを溶かすように働くもので、運動が動脈硬化などを予防するのに効果的だといわれるのはこのためです。ただし、飲酒などで肝臓機能が低下している場合はプラスミンが過剰になることがあり、血管の筋肉(線維素)にダメージを与えることがあるそうです。
ビタミンKは、止血剤として医療に使われています。
■ ビタミンKの種類
ビタミンKは自然界に広く分布する脂溶性ビタミンの1つで、広範囲の食物から摂取できるほか、腸内細菌によっても合成されるビタミンです。天然型と人工合成型があります。
●天然型
・ビタミンK1(フィロキノン) :
植物の葉緑体で作られるもので、
緑黄色野菜、海草、大豆油、緑茶に多い。
・ビタミンK2(メナキノン):
微生物と腸内細菌がつくるもの。
納豆菌がつくるメナキノン-7(MK-7)が注目されています。
●合成型
・ビタミンK3(メナジオン)
毒性があるため現在はヒトに対lして使用されていません。
・ビタミンK4(メナジオール二リン酸ナトリウム)
- 血液凝固に関しては、K1とK2の作用に差はないと考えられてきました。日本での骨粗鬆症の研究が進み、K2の有効性が見直されているようです。
- K1は腸内細菌によってK2に変換されます。腸内細菌が少ない場合、K1からK2への変換が十分になされないこともあります。
- ビタミンKは、還元酵素により還元(ワルファリンはここを阻害)されて、再利用されています。
■ ビタミンKは最も研究が進んでいないビタミン
- ビタミンKがインターロイキン6の生産を阻害する。
- ビタミンKと骨の疾患にPCBも影響し、新生児では、母体から高いレベルのPCBを貰ってしまっているため、ビタミンKの注射は効き目がない。
- アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤とビタミンKの服用で、肝臓ガンの再発を抑制できるらしい。
ビタミンKの 【おもな働き】
| * |
|---|
| 血液凝固(止血)作用 |
| カルシウムの定着(石灰化)作用(骨形成に必須) |
| 破骨細胞を抑制する作用 |
| 石灰化を抑制する作用 |
|
check point : ビタミンKは骨粗鬆症、動脈硬化、生活習慣病にも効果 止血・骨粗鬆症・メタボ・高血圧・動脈硬化・老人性痴呆 |
| *1日あたりの摂取目安: |
ビタミンKの【効果】
- 医薬・医療のページから Web情報
-
おやすみ
- サプリメント関係の効果説明 Web情報
おやすみ
- 一般ページの効果説明 Web情報
-
おやすみ
ビタミンKの【性質】
- 脂溶性
- 淡黄色の液体
- 熱に強く、アルカリ、紫外線には不安定
ビタミンKの【摂取】
- 多くの食品に含まれるが、一般に野菜からの摂取効率は悪い。
- 他の脂溶性ビタミンとは違い、蓄積性は低い。常に腸管から吸収されているようにすること。(一般に不足することはない)
- 必要量の約半分は腸内細菌がつくるK2を利用しているといわれ、乳児、高齢者、消化器の疾患、腸内環境の悪化で減少しやすい。
- 吸収には胆汁や膵液が必要。また、肉料理などによる脂質を同時に摂ることで効率がよくなる。一般に、肝胆道疾患などの脂肪の吸収を妨げる病気は、ビタミンKの吸収も減らす。
- ビタミンKは肝臓でリポ蛋白に包まれ組織に運ばれます。このため、ビタミンKの効果は、最終的には肝機能にも左右されます。
- ワーファリン服用時は、ビタミンKの摂取を止めましょう。ビタミンKは止血作用があります。
- ビタミンKは合成物として、K3,K4がありますが、人体に悪影響を与えるため、K3の使用が中止されている。
ビタミンKの摂取を阻害する食物
- 抗凝固薬、抗けいれん薬、特定の抗生物質などの薬を継続して服用している場合
- 過剰なアルコール
ビタミンKを過剰に摂取した場合
- 新生児・乳児の溶血性貧血、過ビリルビン血症、大人の溶血性貧血
ビタミンKの欠乏による疾患
- 通常の食生活で欠乏する事はないといわれています。
- 打撲時のアザ(皮下出血)、目の周りのくまの頻発、出血時間の延長、血便、血尿、鼻血等の出血傾向、胃の中での出血(ときに吐血を伴う)、腸の中での出血
- 新生児では、脳内やその周辺部で生命にかかわる出血が起こることがあり、骨が弱くなることもある。
- 極端に欠乏すると、運動失調や感覚異常などが現れるという。
ビタミンKを含む主な食品
- ひきわり納豆
- パセリ
- しそ
- モロヘイヤ
- 納豆
- あしたば(生)
- 春菊(ゆで)
- バジル
- カブ(葉)
- ほうれんそう(生)
- 抹茶
- わかめ
- のり
- ひじき
備考
- 栄養機能食品:ビタミンK2(メナキノン-7)を高生産する納豆菌(Bacillus subtilis OUV 23481株)を含む納豆が、個別評価型の特定保健用食品として許可されている。
- 参考リンク:
ビタミンKの多い食品と、食品のビタミンKの含有量一覧表
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/vitamin_k.html -
「健康食品」の安全性・有効性情報
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail17.html
トラックバック(0)
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://eiyou.hontonano.jp/mt/mt-tb.cgi/47
メタボの栄養 基礎知識2008



コメントする(コメント入力フォーム)