BCAA・ロイシン

ロイシン ろいしん leucine

ロイシンは、分岐鎖アミノ酸類(BCAA)の司令塔として、タンパク質の分解抑制と合成促進の調整をしています。この働きは、ロイシンのインスリン分泌促進作用によるもの。ロイシンの不足によりインスリンの分泌が抑えられると、全身の活力の低下につながります。ロイシンとは必須アミノ酸のひとつで、ロイシン、バリンとともに、その分子構造から分岐鎖アミノ酸類(BCAA)に分類され、1日の必要量が必須アミノ酸9種中では最大です。

分岐鎖アミノ酸(BCAA=Branched Chain Amino Acid):
上記の3つは、アミノ酸分子の炭素骨格が分岐した構造をもつことから分岐鎖アミノ酸といわれ、必須アミノ酸9種のうちの3種です。イソロイシンはロイシンの構造異性体。多くの場合、この3つのアミノ酸はBCAAとしてまとめて考えられているようで、3つのバランスが大切といわれています。

ロイシンは筋肉の成長・修復・強化を助ける:

筋繊維を構成するタンパク質の主成分はBCAAといわれるアミノ酸。スポーツに欠かせないアミノ酸としてBCAAは注目され、特にロイシンは、体に筋肉がつくのを助け、筋肉を失わせないようにする性質があり、グルタミンと同様に、スポーツ選手によく利用されているアミノ酸です。

ロイシンはインスリンの分泌を促進している:

ロイシンには、インスリンの分泌を増加させる作用があります。一方、インスリンはグルコースやアミノ酸といった栄養素を筋細胞に取り込む働きをしています。このため、ロイシンの摂取は、エネルギーとしてブドウ糖を筋肉で利用することを助け、また、筋肉が使うエネルギーの1つであるクレアチンなどもインスリンの働きで筋細胞内に取り込まれます。
このインスリンの分泌を促す作用は、運動前や運動中では持続力や瞬発力となって現れ、運動後では筋肉の成長や修復、強化を助けることになります。

ブドウ糖を筋肉で利用する:
極度の低血糖や筋グリコーゲンが枯渇している場合は、ブドウ糖からのエネルギー生産はできません。このときはロイシン・イソロイシンなどのタンパク質からエネルギー生産がおこなわれ、筋肉の疲労・消耗につながります。
クレアチン:
クレアチンとはタンパク質の一種で筋肉や脳でエネルギーを貯蔵している物質。クレアチンの持つエネルギーは筋肉が強度の高い運動を行う時に使われるので、クレアチンを筋肉に補給してやることで筋力を発揮しやすくなったり、筋力の持続時間が長くなる、筋肉が太くなりやすくなるといった効果があります。 クレアチンは、アルギニン、メチオニン、グリシンなどのアミノ酸から構成されるリン酸。全身にあるクレアチンの95%は骨格筋にあります。

ロイシンとイソロイシンにあるケト原性:自分自身がエネルギー源となる

ケト原性アミノ酸とは、体内で最終的に脂肪酸やケトン体に転換されうるアミノ酸のことで、タンパク質がエネルギー源に転換される性質のことです。ロイシンなどのケト原性アミノ酸は、脂肪酸に転換された後、さらに分解されて「ケトン体」注1になり、これが筋肉でのエネルギー源となります。
ケトン体の多くは肝臓でつくられますが、BCAAの中では
 ● ロイシン
 ● イソロイシン
にケト原性があり、筋肉でロイシンや筋肉が分解されて脂肪酸がつくられ、エネルギー源になります。もちろん、このような状態は筋肉や筋力の低下につながります。

注1) ケトン体:
ケトン体とはアセト酸、β-ヒドロキシ酢酸、アセトンなどの総称。脂肪を分解するときに生産され、筋肉や脳で使われるエネルギー源となる。過剰になると、ケトン血症やケトン尿症となり、食欲低下、顔色不良、倦怠感、吐き気・嘔吐、腹痛 ... 昏睡、などが起こる。 激しい運動、ダイエットなどでの糖質不足、糖尿病、高脂肪食の摂食過多などで、消費量以上の脂肪分解が多くなると症状を呈する。

ロイシンの鎮痛・ストレス解消作用:

ロイシン-エンケファリン (Leu-enkephalin)は、脳内に自然状態で分布している脳内麻薬様物質(エンドルフィンの仲間)とも呼ばれる物質。苦痛とストレスによって生じる神経反応を緩和し、リラックスを促す作用があります。ヒトは「泣く」事でもストレスを解消することができますが、これは、涙の中にロイシン・エンケファリンという物質が含まれているため。「泣く」と涙管や鼻粘膜から吸収される事により、心身の苦痛が和らげられ、同時にストレスも解消されることになります。

運動時の疲労感はBCAAの減少によるもの:

疲労感は、疲労物質セロトニンの脳内増加が一因。運動すると脳内ではBCAA濃度が低下し、セロトニンが増える仕組みがあります。

BCAAは同時摂取が必要:

このように、BCAAの仲間はそれぞれが協働しており、これらの食物からの摂取は、
    【バリン1:ロイシン2:イソロイシン1】
の比率で同時摂取が有効かつ必要であるとされています。

成人の1日に必要な量は体重1kgあたり
バリン18mg、ロイシン36mg、イソロイシン23mg
(厚生労働省策定;日本人の食事摂取基準2005年版より)

BCAAの仲間はそれぞれが協働しており
【バリン:ロイシン:イソロイシン = 1 : 2 : 1】
の比率で 同時摂取有効かつ必要 とされています。

BCAAとロイシンの【働き】

*
骨格筋の主成分。筋肉の成長・補修・増強
骨格筋は体重の約40%を占め、その内15~20%はBCAA。
タンパク質の分解抑制と合成促進(ロイシンの働き)
インスリンの分泌を促す働きで、グリコーゲンからのエネルギー生産を促進する。グリコーゲンが不足しないかぎりタンパク質合成に働くが、この働きが正常に保たれるにはBCAAの比率が大事。
ケト原性タンパク質:(ロイシン、イソロイシンの働き)
脂肪酸に転換されうる性質:グリコーゲンが不足した場合、自分自身が脂肪酸に転換され、エネルギー源になる性質。
鎮痛作用:(ロイシンの働き)
ロイシン-エンケファリン (Leu-enkephalin)の構成成分。脳内麻薬様物質。
check point :
ロイシンはBCAAをコントロール。筋肉増強・タンパク質燃焼・鎮痛・疲労回復

BCAAの【効果】

製薬関係 Web情報

BCAAと医療

肝不全の患者さんの血液中のアミノ酸濃度は、健康な人に比べるとBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)が低く、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)が高いのが特徴です。
このような血液中のアミノ酸のアンバランスは、しばしば肝性脳症注)という症状をもたらし、時に昏睡状態を生じる事もあります。そこで、肝性脳症の発現を防止しながら必要なアミノ酸が補給できるように、アミノ酸組成を工夫した分岐鎖アミノ酸製剤が開発され、肝不全の治療に画期的な効果をもたらしています。
肝性脳症:
肝性脳症とは、肝臓の働きが悪化して意識障害が現れ、昏睡状態に陥ることがある症状。意識不明は、肝機能が極端に低下したため全身の血液中にアンモニアが急増し、脳神経細胞の働きが抑制されたために起こる。

BCAA経口補充療法

分岐鎖アミノ酸は手術後や肝臓疾患の患者さんの栄養管理に多く利用されていますが、患者さんなどが経口でBCAAを摂取する方法を“BCAA経口補充療法”といいます。

BCAA輸液

分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、カラダのたんぱく質の分解を抑える作用があります。そのため、手術後などカラダのたんぱく質が失われやすいようなときには、BCAAを多く含む“BCAA輸液“が病院で多く使われています。

肝硬変・BCAA

肝硬変患者の低アルブミン血症を改善、分岐鎖アミノ酸に、血糖値の異常を改善する薬理作用がある。 インスリンと異なる情報伝達機構で筋肉に作用し、血糖の取り込みを促す。同社はこのアミノ酸を肝硬変患者向けの薬剤として販売している。
サプリメント・健康食品関係 Web情報

肌や髪にもロイシンを始めとするアミノ酸

ロイシンを含むアミノ酸は、体を構成する大切な栄養素です。体を支える筋肉はもちろん、肌や髪を健やかにするためにも欠かせません。うるおい不足を感じるお肌や、ボリューム感がものたりずヘアスタイルにお困りの方はロイシンを始めとするアミノ酸をバランスよく摂りましょう。
以下は別サイトでの記載内容

ロイシン摂取が向いているタイプ

・疲れやすい方
・体調を整えたい方
・免疫力を強化したい方
・筋肉をつけたい方
・肝機能を強化したい方
摂取食物からの効果 Web情報

ロイシン:

エネルギー源として使われる他、筋肉の分解を抑制する機能がある分岐鎖アミノ酸の一種です。 また、脳の神経伝達物質の前駆体の摂取を調節すると同時に、エンケファリンという神経系に痛み信号を伝達するのを抑制する物質の分泌を調整します。
以下は別サイトでの記載内容

ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP):

ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)は,タンパク質分解酵素の一種。ペプチドからロイシンというアミノ酸を切断する酵素で,肝臓のほか,脳,腎臓,膵臓,小腸,子宮,睾丸など数多くの組織に存在。
以下は別サイトでの記載内容

ロイシン

牛肉、レバー、ハム、七面鳥、牛乳、プロセスチーズなどに多く含まれています。筋力の強化、疲労回復、体力アップ、肝臓機能向上、血糖値の調整などに効果。
イソロイシンとバリン以上にロイシンを摂取してしまうと、バランスが崩れて体重が落ちてしまうので、サプリメント摂取の際は注意。

ロイシンの過剰摂取は育毛にも ...

薄毛・抜け毛対策の一環として毛髪の健康を考えるなら、ロイシンを多く含む食材を積極的に摂取するのは悪くない育毛法といえます。
... ロイシンは身体の皮膚、骨、筋肉組織などの生成の助け、疲労回復や体力アップにも役立っているのですが、過剰に摂取してしまうと、他のアミノ酸とのバランスが崩れ、返って身体や育毛に悪影響が出てしまう事もありますので、注意して下さい。
(育毛に関連 ロイシン・アルギニン・メチオニン)

ロイシンの【性質】

  • 苦みがあります。

BCAAの【摂取】

  • 通常の食事で不足することはまず無いようです。
  • アミノ酸を偏って摂取すると、一般に過剰毒性がみられます。必須アミノ酸の方が過剰毒性が起こりやすいといわれており、サプリメントなどでは注意してください。

成人の1日に必要な量は体重1kgあたり
バリン18mg、ロイシン36mg、イソロイシン23mg
(厚生労働省策定;日本人の食事摂取基準2005年版より)

BCAAの仲間はそれぞれが協働しており
【バリン:ロイシン:イソロイシン = 1 : 2 : 1】
の比率で 同時摂取有効かつ必要 とされています。

BCAAを過剰に摂取した場合【副作用】

  • 肝性脳症において、BCAA製剤を過剰に投与すると、糖新生の抑制による高アラニン血症、アンモニアが尿素回路で処理されないことによる高グルタミン血症となる。
  • アミノバランス→免疫機能の低下

ロイシンが不足した場合

  • イソ吉草酸血症、メチルクロトニル-CoAカルボキシラーゼ欠損症、メチルグルコタン酸尿症、ヒドロキシン-3-メチルグリタルーCoA解裂酵素欠損症
  • 活力低下、水腫病(むくみ)、成長が止まる

主な食品

  • レバー
  • あじ
  • 牛乳
  • とうもろこし
  • 牛肉
  • 大豆
  • ほうれんそう
  • 小麦粉

備考

  • 【BCAA】:BCAAを知らないアスリートなんて
    http://www.dr-supplement.com/column/clmn_0002.html
  • 【BCAAとは】
    筋肉の約20%はたんぱく質であり、体重の約40%を占める骨格筋は、たんぱく質と3~5g/kgの遊離アミノ酸を含み、たんぱく質、アミノ酸の貯蔵庫といえる。遊離アミノ酸濃度は一定を保ち、摂り過ぎたアミノ酸は肝臓、筋肉で分解される。このBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は、その分岐構造が体内では構成できないことから必須アミノ酸の一種である。食品中では、肉100g中のたんぱく質に対して、BCAAはその約20%で3~4g含まれ、他の必須アミノ酸同様食品から摂取しやすい。BCAAの働きは、運動時のエネルギー源となり、またロイシンはインスリン分泌促進、たんぱく質代謝(分解抑制と合成促進)調整機能を持つ。
    抜粋:大阪栄養士会 
  • 【ロイシンと育毛】
    http://saizensen.client.jp/a-kihon2-b.html
  • 【ロイシンによるHGF産生の促進】
    http://www.kanzou.net/report/07b_04b.html

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL:  http://eiyou.hontonano.jp/mt/mt-tb.cgi/24

コメントする(コメント入力フォーム)

release: November 26, 2007
update: March 29, 2008

Key words :

同様の効果がある他の栄養成分を見つけることができます
食品の栄養成分 基礎知識 カテゴリ
 
 

メタボの栄養 基礎知識2008