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コレステロールのはたらき

コレステロール これすてろーる cholesterol

コレステロールが血液中で過剰になると、生活習慣病に代表されるさまざまな循環器疾患を引き起こしています。 米国の疫学調査ではTCが180~200mg/dLの範囲であることが長寿の条件という報告がされるなど、これほど健康に対して具体的な示唆がでる物質はありません。生命維持にだいじな役割をもつ必須の物質なのですが、それゆえ、コレステロールへの正しい理解は大切です。ここではコレステロールの働きを整理します。  


コレステロールの 【おもな働き】

1. 細胞膜の構築や維持に不可欠
リン脂質でできている細胞膜にコレステロールが配置されて「しなやかさ」を与える。
2. ステロイドホルモンの原料
性ホルモン・副腎皮質ホルモンなど、ステロイドホルモン類は遺伝子発現の制御に関わる。
3. 胆汁酸の原料
胆汁酸は、脂肪や脂溶性ビタミンなど、脂溶性栄養素の小腸からの吸収を促進。
*脂溶性ビタミン=ビタミンA・D・E・K
4. ビタミンDの原料
ビタミンDはカルシウム・リンの吸収を助ける働きがあり、体内ではプロビタミンD2(エルゴステロール)、プロビタミンD3(7ーデヒドロコレステロール)の2つがあり、ホルモン様の作用をする。
5. 血管の内側に膜をつくり、血流による損傷から血管を保護
6. 脳の神経繊維を守る神経鞘(髄鞘)の成分の1つ
髄鞘が電線を包む絶縁体のような役割をし、電気信号(電気インパルス)は神経線維に沿って速く正確に伝えられる。
7. 細胞内外に物質(大きな分子)を出し入れする仕組み
免疫細胞が異物を食べたり吐き出す仕組みも同じ。コレステロールでつくられている。
8. 細胞シグナル伝達に関与

コレステロールの 【生成と排泄】

食物摂取 20%、体内合成 80%
コレステロールは食物摂取で約20%が、残りの80%は体内で生産されています。しかも、食物摂取で得られる量の変動を、体内合成で調節しています。脂肪分の摂取を減らしてもコレステロール値があまり変わらないという経験をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、これは、摂取量よりも遙かに多い量が体内で生産されているためです。
肝臓・皮膚・小腸での回収
体内では、肝臓と皮膚(細胞内の小胞体)でコレステロールが生産れています。さらにコレステロールからつくられる胆汁酸が小腸で再吸収されることで、コレステロールの回収がおこなわれています。

*コレステロールの生産は肝臓や皮膚が多い。他には、腸粘膜、副腎、腎臓、卵巣、精巣などで生産されているが、腸粘膜では再吸収、副腎などではコレステロールからホルモンがつくられます。
貯蔵
コレステロールを貯蔵するための特別な形態(ブドウ糖であればグリコーゲンなど)は存在していません。コレステロールの多くは細胞膜中にありますが、一部は血液中に特別な形(リポ蛋白)で体内を循環しています。
コレステロールの排泄
コレステロールの排泄は肝臓から胆汁として分泌されますが、その際にコレステロールの一部から肝臓でつくられる胆汁酸といっしょになります。胆汁酸を含む胆汁は一旦、胆嚢に濃縮して貯蔵され、胆管を経由して、十二指腸で腸管内に分泌。胆汁が脂質の消化・吸収に利用されるため、分泌した胆汁酸の約95%が小腸で再吸収されてしまいます。
しかし、腸管内に水溶性食物繊維があると胆汁や脂肪が絡められ、その多くが食物繊維とともに排泄されることになります。

コレステロールの 【運搬方法】

コレステロールは2つの経路で循環しています。
腸肝循環
肝臓→胆汁→小腸→肝臓
胆汁の主成分は胆汁酸。胆汁酸は肝臓でコレステロールからつくられ、一旦、濃縮して胆嚢に溜められます。その後、十二指腸から分泌され、食物摂取された脂質と混ざり小腸で吸収されます。このとき胆汁酸もいっしょに吸収され、約95%の胆汁酸が回収されることになります。
小腸から肝臓までは、コレステロールは「リポ蛋白」といわれる姿に変わります。このリポ蛋白には、食物摂取で得られた脂質などの成分が取り込まれています。

※胆汁酸は脂肪や脂溶性ビタミンの消化・吸収に働いています。消化酵素リパーゼで分解された脂質は胆汁酸で乳化され吸収できる大きさになります。
血液循環
肝臓→血液→末梢→血液→肝臓
コレステロールは血液にのせて運ばれるわけですが、これは脂溶性のため血液とは混ざりません。そこで、リン脂質とアポ蛋白質でできた「リポ蛋白」という「入れ物」に入れて血液に混ぜます。

肝臓から全身の細胞にコレステロールを運ぶときは、LDLというリポ蛋白の姿で運ばれます。
逆に、細胞で余ったコレステロールはHDLといいわれるリポ蛋白で運ばれます。
一方、キミクロンといわれるリポ蛋白は、小腸粘膜で吸収された脂肪や再吸収されたコレステロールを肝臓まで運ぶ役割をしています。肝臓に届いたキミクロンはコレステロールの一部を肝臓に渡し、今度はLDLの姿に変わり全身の細胞に届けられます。
下図のようにそれぞれのアポ蛋白は種類が違っています。アポ蛋白はタンパク質の一種ですが、どこへ運ぶかを示す「宛先」のような役割があります。
リポ蛋白の名称 アポ蛋白の種類 コレステロールの移動経路 備考
キロミクロン ApoB48 小腸から肝臓へ  
LDL 低比重リポ蛋白 β 肝臓から組織へ 悪玉
HDL 高比重リポ蛋白 α 組織から肝臓へ 善玉
上記以外にVLDL、IDLがありますが、省略します
 

本当の悪玉は自分自身

なぜ、LDLは悪玉コレステロールといわれているのか?
LDLは、肝臓でつくられたコレステロールを血液中を通って全身に運ぶのが役割ですが、どんどん運ぶと使い切れないコレステロールが血液中や血管壁に溜まり、活性酸素に出会うと過酸化脂質となります。過酸化脂質はマクロファージが食べてくれるのですが、食べカス(アテローム)にもコレステロールを供給し続けることになるなど、結果は、高脂血症、動脈硬化を進行させ、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気につながります。
一方、善玉といわれるHDLは、血液中や血管壁に溜まったコレステロールを“掃除”して肝臓に運ぶ、つまり、回収するわけですが、際限なく回収できるわけでもありません。また、このコレステロールの分子は小さなサイズであるため、活性酸素で過酸化脂質にされやすい性質もあります。
コレステロールを過剰にしてしまう自分自身が悪い、お分かりですね。
30代後半を過ぎれば新陳代謝は確実にdown方向、さらに食事や運動量、コレステロールを過剰にする生活習慣は10代から始まっていると考えてもよい今の日本です。過酸化脂質を抑制する食品摂取も大事なことですが、その原料となっている過剰なコレステロールをつくらないように、コレステロールをコントロールすることが何よりも大事です。

コレステロールは連載で掲載します。今回はここまで。

備考

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release: November 11, 2007
update: November 14, 2007

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