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脂質(脂肪)の分類

脂質 脂肪 ししつ しぼう (lipids)

脂質=脂肪と一般人は解釈して問題はないようですが、栄養学では○○質という表現で、脂質・糖質・タンパク質のように使われます。一方、生化学(生物医化学)では脂肪と表現されることになるようで、分野が違えば作法も違い、言葉が示す範囲も微妙に違ってきます。
脂肪と言った場合には、一般的には中性脂肪を指すことになります。さらに中性脂肪は厳密に言うと、中性脂肪・コレステロール・脂肪酸・リン脂質の4つの総称です。ここでは、脂質(脂肪)の全体像を示します。

脂質(脂肪)の分類

脂質の分類
単純脂質 アシルグリセロールとも言う
  グリセリド
(グリセロール)
脂肪酸とグリセリンが結合したもの。
モノグリセリド(脂肪酸1つ)、
ジグリセリド(脂肪酸2つ)、
トリグリセリド(脂肪酸3つ)があり、これらのグリセリドを合わせて中性脂肪という。
血液中に含まれる中性脂肪のほとんどはトリグリセリド。したがって、中性脂肪はトリグリセリドと同義とする場合も多い。さらに、厳密には中性脂肪・コレステロール・脂肪酸・リン脂質の4つを含んでいる。
  ステロールエステル 脂肪酸とステロールが結合したもの
  ロウ (Wax) 動植物表面に多く見られ、保護物質として働く
  セラミド (スフィンゴ脂質の一種、スフィンゴシンに脂肪酸が結合)細胞膜に高い濃度で存在する。セラミドの合成障害によりアトピー性皮膚炎などを生じうる。
複合脂質 分子中に糖やリン酸を含む脂質
  リン脂質  
    スフィンゴリン脂質 セラミドの原料
    グリセロリン脂質 細胞膜の主要な構成要素 ... レシチン
  糖脂質 アルコールと脂肪酸と糖質との化合物。 糖脂質は特に神経組織に広く存在している。
    スフィンゴ糖脂質 動物に多い。 細胞内・細胞間の情報伝達、接着、増殖、分化等を制御していると考えられている。
    グリセロ糖脂質 植物に多い。
誘導脂質 単純脂質や複合脂質からつくられる疎水性化合物
  脂肪酸 (Fatty acid)  
    飽和脂肪酸 酸化されにくい。 代表格:パルミチン酸
      蟻酸 アリなどが分泌する酸
      酢酸 食酢の主成分
      パルミチン酸 脂肪酸石鹸としての利用もある。パーム油 、ミツロウ、ココアバター、ラードなどに多い
      ステアリン酸 *食品への利用はないようです。乳化剤として化粧品・洗剤の原料。
パームヤシ油に多い
      中鎖脂肪酸 脂肪酸を分子の長さによって、長鎖・中鎖・短鎖に分類したときの呼称の1つ。植物油の多くやラードなどは長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸は長さがその約半分で、代謝が長鎖脂肪酸にくらべ約10倍速いため、体脂肪になりにくい。
牛乳やココナッツ油などに含まれる。
ちなみに、短鎖脂肪酸には酪酸(バター)がある
    不飽和脂肪酸 酸化されやすい 
      一価不飽和脂肪酸
ω9系(n-9)
代表格:オレイン酸

不飽和の中で最も酸化されにくい
オレイン酸はグレープシードオイル・オリーブ油・紅花油・ナッツ類などに多い
[飽和脂肪酸→ 一価不飽和脂肪酸となる]

      多価不飽和脂肪酸
ω6系(n-6)
代表格:リノール酸
必須脂肪酸の1つ 現代の日本人は過剰
●体内でつくれない 動植物に広く分布する
リノール酸はサフラワー油、コーン油、菜種油、ごま油などに多い。
[リノール酸 → γリノレン酸 → アラキドン酸となる]
      【アラキドン酸】
植物には存在しない(動物性食品に多い)
[リノール酸から合成される ]
★リノール酸の過剰摂取でアラキドン酸から、
強い活性を持つ
●ロイコトリエン(アレルギー)
●プロスタグランジン(免疫系の抑制)
●トロンボキサン(血栓形成)
がつくられる。n-3系でもEPAからつくられるがその活性は弱い。
      多価不飽和脂肪酸
ω3系(n-3)
代表格:α-リノレン酸
必須脂肪酸の1つ 現代の日本人は不足
●体内でつくれない (魚や亜麻仁油など) 
[ α-リノレン酸 → EPA → DHAとなる]
  ステロイド (Steroid) 副腎から分泌されるホルモン。身体を維持するために重要な働きをしている。
    コレステロール 細胞膜や細胞内膜に含まれるステロール。ステロイドホルモンや胆汁酸、ビタミンD3などの生合成の原料。特に動物の脳や脊髄に多く、血中ではリポ蛋白の姿で存在する。
HDL: 通称、善玉コレステロール
LDL: 通称、悪玉コレステロール
*脂質異常の診断基準を総コレステロール(TC)からLDLへ移行した。
日本動脈硬化学会
  ステロイドホルモン コレステロールを原料にしてつくられるホルモンですが、ホルモンには他にタンパク質がつながったペプチドホルモン、アミノ酸が原料でその構造が変化したアミン類の計3種がある。
      男性ホルモン (アンドロゲン) 
精子の形成や男性生殖器の形成に関与
      黄体ホルモン (ゲスターゲン) 
女性ホルモンの1つ。妊娠の成立や性周期の維持等
      卵胞ホルモン (エストロゲン) 
女性ホルモンの1つ。女性生殖機能の発達や性周期の維持等
      副腎皮質ホルモン (コルチコイド) 
糖・アミノ酸・脂質代謝の調節、腎臓でのナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排泄の促進
  テルペノイド ・別名テルペン、樹木が発する香り成分。血圧を低下させる作用、リラックス作用、ガン細胞の増殖を抑える作用。
・スクアレン (squalene) ... 動物に含まれる。肝臓で合成。
  カロテノイド 動植物に含まれる色素成分
           
参考:

備考

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release: November 9, 2007
update: August 3, 2008

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