血糖 vs. インスリンを元気にする栄養成分・食べ物
メタボリック症候群に不安を覚える、生活習慣病に"なんとなく"将来の不安を感じる、誰も同じです。糖尿病との診断をもらうと次は網膜症などの様々な併合症を心配する生活が始まります。何もしないと不安ばかりが増えてしまう。
さて、メタボリック症候群とは別名インスリン抵抗性症候群、つまり、インスリンの働きが悪い状態がベースになっている疾患のこと。血液中ではブドウ糖が過剰になります。この状態を数年続けると肥満が始まり、さらに数年(十数年?)で先に書いたような不安な生活の始まりです。
■ 炭水化物とインスリン
私たちが食べた食物の中の炭水化物(糖質)は、腸でブドウ糖に分解・吸収され、血液中に入いります。すると、瞬時に膵臓からインスリンが血液中に分泌され、血液中のブドウ糖は、これの働きで細胞内に入ることができ細胞のエネルギー源として使われるようになります。
また、肝臓、筋肉、脂肪組織では、余ったブドウ糖などをグリコーゲンや中性脂肪のかたちで蓄えたり、戻したりしていますが、血液中のブドウ糖の量が多くなりすぎ、インスリンの働きが追いつかない状態が続くと、インスリンの分泌や作用自体も低下していき、ますますバランスが悪くなります。
肥満が肥満症という疾患になり、高脂血症、高血圧、そして糖尿病など様々な疾患に発展するリスクが高くなっていきます。
一方で、インスリンに頼ることなく細胞内にエネルギー源のブドウ糖を取り込む仕組みを持つ器官があります。脳・運動時の筋肉・肝臓・腎臓(腎尿細管)・胃腸(の細胞)・赤血球です。
コレ、なるほどネ! ... です。
脳が餓死したら困ります。
■ インスリンがメタボリックにつきまとう
過剰になりやすいカロリーの「総量規制」、栄養が取れる食事と運動がメタボ予防・治療の基本です。
血糖(値)を下げてくれるホルモンは、唯一、インスリンだけです。
肥満は外見や体重計で目に見えるものですが、これに続く疾患の症状は分かりにくいもの。
自覚症状の無いまま失ったかもしれないインスリンの働きを取り戻す方法はあるのでしょうか?
■ インスリンが働かなくなる原因は色々ある!
年単位で血糖が高い状態がつづくとインスリンの働きを悪くするのですが、2型糖尿病ではインスリンをダメにする原因に以下のことが挙げられています。
- 遺伝
→ 日本人は欧米白人に比べ、体質的にインスリン分泌が弱くなりやすい - 過食
→ メタボ初期段階では脂質(飽和脂肪酸)、糖尿病ではブドウ糖に分解される炭水化物(糖質)、いずれもインスリンの分泌や働きが悪くなる - 精神的、身体的ストレス
→ アドレナリンなどが血糖値を上げることでインスリンが働かなくなる - 運動不足
→ 基礎代謝の低下や筋肉量低下、新陳代謝の低下がエネルギー源の余剰を生み、高血糖となることでインスリンが働かなくなる - 睡眠不足
→ 加齢・生活のみだれ・肥満などがもたらす睡眠の量・質の低下による - アルコールの飲み過ぎ
→ インスリン分泌が減少する - 栄養不足
→ インスリン合成原料やその補酵素となるビタミン・ミネラル類の不足 - 内臓疾患
→ 特に、膵臓、腎臓、肝臓などに疾患がある
端的に言えば、腸管膜に溜まる脂肪=内臓肥満が、さらなる肥満を助長しながら、インスリン作用も低下することになるのです。
ここでは、インスリンを増やし、血液中からブドウ糖を少なくする食べ物を考えてみましょう。2型糖尿病となってもインスリンの働きを良くする努力は大切です。メタボに不安を感じている段階では、インスリンの働きを改善し守ることができます。
・インスリン 合成 を促進するもの
・インスリン 分泌 を促進するもの
・ブドウ糖の 細胞吸収を促進 するもの
・炭水化物からの ブドウ糖への分解を阻害 するもの
・消化管で 炭水化物またはブドウ糖を体外排出 するもの
↑ 最後のコレは食べ物には無さそう?
■ インスリンを元気にする栄養成分・食べ物
1)インスリン合成を促進するもの(インスリンを元気にする)
- ● インスリン合成に必須のミネラル「亜鉛」:
ヒトの体内では300種以上の酵素を活性化し、性ホルモン分泌、細胞分化や抗老化など、多彩な働きをしている必須のミネラルですが、精製原料を使う加工食品が多いことや野菜摂取不足により、不足ぎみの栄養素です。
また、メタボリック症候群の先にある様々な疾患には、活性酸素との関わりがあるのですが、亜鉛はセレン・マンガン・銅とともにSODなどの活性酸素を消去する酵素の原料となっています。 - ● ナイアシン(ビタミンB3)とビタミンB6:
腸内細菌がトリプトファンからのナイアシン合成を行っているため、便秘や下痢、整腸剤の服用など、しないことが大切。
ナイアシンは、糖質・脂質の代謝に関わる様々な酵素に関係し、そのエネルギー総量は、体内で必要とされるエネルギーの60~70%にもなると言われ、体内に存在する酵素の約40%・500種余りが、ナイアシンを必要としています。例えば、性ホルモン・コルチゾン・チロキシン・インスリン、睡眠を司るホルモンのメラトニンなどはよく知られています。
・レバー/カツオ/マグロ/サバ/ブリ/アジ/イワシ/さわら/たらこ/鶏肉/牛肉/豚肉/玄米/そば/ピーナツ/なめこ/エリンギ/えのきたけ、などに多い。
ビタミンB6は、タンパク質を作るために欠かせないビタミン。また、タンパク質を糖質や脂質にする転換する過程や、その逆の過程でも働いていて、アミノ酸の代謝や神経伝達にも深く関与しています。
※ ビタミンBには種類がありますが、一定の比率となっていることが必要です。サプリメントではマルチのB群として補給しましょう。
・ビール酵母/牛肉/鳥肉/卵/魚/玄米/小麦胚芽/ニンジン/キャベツ/アボガド/バナナ/ほうれん草、などに多い。
- ● マンガン
マンガンは、肝臓、膵臓、毛髪に特に多く存在しているミネラルです。タンパク質の合成やエネルギー生産に関与しており細胞の活力を高める働きがあります。
・アーモンド/そば/くるみ/ホウレンソウ/ピーナッツ/カキ/アサリ、などに多い。
2)インスリン分泌を促進するもの(インスリンを元気にする)
- ● ビタミンD:
ビタミンD不足は1型糖尿病発症の原因の1つ。摂取はインスリン生成細胞の自己免疫にによる障害を防ぐ働きがあります。2型糖尿病には、ほとんど1型と考えてもよい場合があり(進行する)、両者、ビタミンDは大切な栄養素となっています。キノコと日光浴ですね。散歩しましょう。 - ● ロイシン:
ロイシンにはインスリン分泌促進作用があり、この作用でタンパク質の分解抑制と合成促進の調整をしています。ロイシンは必須アミノ酸のひとつで、ロイシン、バリンとともに、その分子構造から分岐鎖アミノ酸類(BCAA)に分類され、1日の必要量が必須アミノ酸9種中では最大です。
ロイシンが不足するとインスリンの分泌が抑えられます。 -
そのほか:
システイン、タウリン、クロロゲン酸、ルチン、CAF、サポニン
3)ブドウ糖の細胞吸収を促進するもの(インスリンを元気にする)
- ● クロム:
クロムはインスリンと結合して、ブドウ糖を筋肉や肝臓に取り込ませることで血糖値を下げる働きをします。また、細胞内でおこなわれるエネルギー生産に必要な酵素の働きを助けています。
・酵母/レバー/肉類/チーズ/豆類、などに多い - ● BCAA(分岐鎖アミノ酸類):
バリン、ロイシン、イソロイシンの3種を指し、
【バリン1:ロイシン2:イソロイシン1】の比率での摂取が大切です。
BCAAにはインスリン分泌を促す作用と筋肉細胞内にブドウ糖を取り込む作用があります。
・レバー/あじ/牛乳/とうもろこし/牛肉/ほうれんそう/小麦粉/米/大豆/鳥胸肉/マグロ(赤身)/たらこ/ チーズ などに多い。 - ● カルコン:
明日葉(あしたば)に含まれるカルコン類(キサントアンゲロール、4ーヒドロキシデリシンなど)は、抗ガン効果や整腸作用が知られている。明日葉に含まれるカルコンは脂肪細胞の分化を促進し、さらに分化した脂肪細胞におけるブドウ糖の取り込みを促進するという。 - ● CAF クロマチンアセンブリファクター:
白甘藷の仲間で薬用芋として用いられるシモン芋に含まれる成分。インスリンの分泌促進と細胞内吸収促進を併せ持つ。同種のものにカイアポ芋があるが、国内生産種はシモン芋が多く、九州地方が主要産地となっている。
食品として、粉末、茶、固形のサプリメントがあり、熊本県にはシモン焼酎を造る酒蔵がある。 - ● コロソリン酸:
コロソリン酸はバラ科やミソハギ科の植物の葉に多く含まれることが知られているが、 熱帯樹木のミソハギ科バナバに含まれるコロソリン酸には、細胞内へのブドウ糖取り込みを増強する作用がある。食品にはお茶とサプリメントがあるが、コロソリン酸は脂溶性のため、油性成分に含めたものが効果的といわれている。
4)ブドウ糖への分解を阻害するもの(インスリンを元気にする)
- ● 小麦アルブミン:
小麦アルブミンは、小麦のたんぱく質に含まれる水溶性たんぱく質を抽出精製したもの。α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼなど消化酵素の働きを阻害する作用がある。小麦アルブミン食品として、麦ご飯やサプリメント(スープ粉末・粉末)などがあり、糖質(でんぷん)の消化吸収をおだやかにする添加物として利用されている。 - ● デオキシノジリマイシン:
桑の葉に含まれる成分で、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼなど消化酵素の働きを阻害する作用がある。 - ● サラシノール:
ニシキギ科サラシア属のサラシアオブロンガはインド南部からスリランカの山間部にかけて自生する蔓性の植物。サラシア属には他にレティキュラータ、プリノイデスなどもあり、サラシア属として混合して用いられる。作用は、糖質の消化吸収に係わる消化酵素の働きを阻害する。お茶やサプリメントとして流通。 - ● テアフラビン:
ユーカリが原料のグァバ茶に含まれるテアフラビン。テアフラビンは紅茶やウーロン茶にも含まれるポリフェノールの一種。抗酸化、抗菌、高血圧・脂肪吸収の抑制などの効果があるが、グァバ茶のテアフラビンには消化酵素を阻害する作用を併せ持つ。 - ★ 豆類、麦類、茶等の葉類などには、糖分解酵素であるα-アミラーゼを阻害する作用があります。
5)炭水化物またはブドウ糖を体外排出するもの(インスリンを元気にする)
- ● 炭水化物を排出? 常識的には「えっ!」ですが、... 2005年の話題、
白いんげん豆(白あんの原料)のファセオラミン。ファセオラミンは米国ニュージャージー州の植物エキス抽出会社であるファーマケム社(Pharmachem Laboratories, Inc)の登録商標。その宣伝コピーは「パンや麺類、米など炭水化物を摂食しても、ファセオラミンがその消化酵素(α-アミラーゼ)を阻害して、ダイエットに絶大な効果がある」というものです。
● 米国の食品医薬局(FDA)は効果を認めていない。
● この物質はレクチンと同様、加熱により消滅する。
● 生マメや加熱不足ではレクチンの一種フィトヘマグルチニン(PHA)による中毒がおこる。
● レクチンとはデンプンを分解する酵素α-アミラーゼを阻害する作用(ファセオリン)や赤血球凝集作用(ファシン)を持つたんぱく質の総称。
● 白インゲン豆抽出物のαアミラーゼ(消化酵素)阻害は知られている。
ということで、5番目の項目は夢のようなお話ですね。
強いて挙げれば食物繊維、特に水溶性食物繊維ですが、ブドウ糖は無理です。
■ ダイエット食品は、インスリンを元気にする?
- グルコマンマン:ノンカロリー最大300倍の膨張率が豊満感を与える
- 低カロリーやノンカロリーの甘味料
- サイリウムの腸内滞留時間を短縮 ←便秘薬、食物繊維+緩下効果?
- 体脂肪の分解を速めて蓄積を抑えるもの
- 消化酵素の働きを阻害するもの
参考
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メタボの栄養 基礎知識2008



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